PRIMARY COLOR

PRYMARY COLOR

チューリップの通算19枚目のアルバム、『PRYMARY COLOR』が1987年6月1日にリリースされました。この作品は、バンドが追求した洗練されたサウンドを反映しており、特に都会的な要素を残しつつも、音を削ぎ落とすことに重点を置いています。これにより、バンドとしての原点に立ち返りつつも、過去の名作『MELODY』を彷彿とさせる雰囲気が漂っています。

アルバムは、前年の1986年10月にレコード会社を移籍したことを受けて、TRIADレーベルから発表された初めての作品となります。さらに、本作は新メンバーの高橋裕幸が4月に加入した直後に制作されたもので、リリース時には松本淳が脱退したため、短期間の5人編成で制作された特別なアルバムでもあります。このように、メンバーの変動がアルバムの内容にも影響を与えたことは無視できません。

ジャケット写真には、財津、宮城、丹野が新メンバーの高橋とともに写っている一方で、松本が背を向けている姿が印象的です。この構図は、アルバム発売直後に松本が脱退する運命を暗示しているともいえるでしょう。

高橋加入前には新たなギタリストが加入することを期待されていましたが、実際には加入せず、バンドが解散を発表するまで小林涼が苦楽を共にしました。また、松本の脱退によりドラマーがいなくなったため、上野義雄や大久保敦夫といったセッションプレイヤーがサポートを務めることとなりました。

収録曲

SIDE 1

1. わがままお嬢さん
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- 女性に弱い男性の心情を描いた歌詞で、財津のお気に入りの一曲です。

2. 愛になりたい
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- 先行シングル『モーニング・スコール』のカップリング曲で、ここでも同じテイクが収録されています。

3. 危険なEMOTION
作詞・作曲：松本淳
編曲：チューリップ
ボーカル：高橋裕幸
- 高橋がチューリップで初めてボーカルを務めた意義ある楽曲です。

4. モーニング・スコール
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- こちらも先行シングルとして知られた楽曲です。

5. 2015年世界旅行
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- ビートルズの楽曲を模倣したかのような歌詞で、独自のアレンジが光ります。

SIDE 2

6. CHANGE ~I Love You
作詞：宮城伸一郎・作曲：丹野義昭
編曲：チューリップ
ボーカル：丹野義昭

7. 「Blue」
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- 青空と悲しみというテーマが、財津の心象風景を描写しています。

8. 夜明けのベイ・シティ
作詞・作曲：宮城伸一郎
編曲：チューリップ
ボーカル：宮城伸一郎

9. 夏の女神
作詞・作曲：宮城伸一郎、財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：宮城伸一郎

10. Primary Color
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫・高橋裕幸
- シングル『抱きあって』のカップリング曲です。

クレジット

• - TULIP:

Kazuo Zaitsu (Keyboards and Vocals)
Shinichiro Miyagi (Bass and Vocals)
Jun Matsumoto (Drums and Vocals)
Yoshiaki Tanno (Keyboards and Vocals)
Hiroyuki Takahashi (Vocals)

• - Additional musicians:

Mitsuo Matsumoto (Guitar)
Masaki Suzukawa (Guitar)
Shoji Haruna (Saxophone)

• - Produced by TULIP
• - Directed by Ken Okada (TRIAD) and Yoshiaki Tanno (Cricket)
• - Engineered by Kiyoshi Okabe (Wonder Station)
• - Synthesizer Programmed and Operated by Masao Sawamura, Eishi Segawa, Toshifumi Shibata
• - Executive Producer Tsuneo Iizuka (TRIAD)
• - Artist Management Cricket
• - Art Direction and Design Takeharu Tanaka (soap)
• - Photography Yorihito Yamaguchi
• - Stylist Rieko Iijima
• - Hair and Make-up Kenichi Takesako (drop)

このアルバムは、色彩豊かな音楽体験を通じて、私たちを喜ばせるペイントのような存在であると、製作者たちは強く願っていました。

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